第一章 2. 合格する脳(前頭前野)をつくる

前頭前野の働きが良くなると、それまで解けなかった問題が解けるようになる、わからなかった数学の授業が分かるようになる、やる気が出てくる、心が穏やかになる、人を思いやる気持ちが出る、根気強くなる、ストレスに強くなる、記憶力が良くなる、テストの成績が上がるというようなことが起こってきます。

特に、最近の入試は、人間性や独創性、創造性、適合性などを重要視するようになってきているので、前頭前野の働きを良くすることは、合格する上で非常に重要になってくるわけです。 なぜなら、これらの働きが良いと、面接や小論文など適性をみる試験での合格率が確実に高くなるからです。具体的に、前頭前野の働きを上げるようにするインソールを作って使ってもらった受験生たちのアンケートを取ったことがあります。
そのアンケートの結果は、「数学の計算ミスが減った。」「計算ミスが少なくなった気がする。」「何となく集中力が上がった気がした。」「集中しやすくなったような気がする。」「時間がたつのが遅くなったような気がする」「古文ができるようになった。」「ひらめくようになった気がする。」「足を中心に体が温かくなった。おかげで気分が軽くなりました。」「夜遅くまで起きていられるようになった。」「それまで解けなかった問題が解けるようになった。」「勉強しても疲れにくくなった。」などでした。

いずれにしても、副作用がなく半数以上が短期間で何らかの良い効果を実感しています。


受験に奇跡を起こす前頭前野とは

前頭前野は、額のすぐ後ろ側にあって大脳の最も前方に位置する連合野(さまざまな働きの脳が集まっている場所)で、その位置から前頭前野と呼ばれています。(図4) 右脳や左脳さらに人間同士のコミュニケーションをうまくとるときに活躍する共感脳も前頭前野に含まれます。前頭前野は、5歳ころをピークにして8歳ころまでに勢いよく発達しその後も20歳過ぎまで成長を続け、最終的に人の脳全体の15%を占めるほどの大きさになります。


前頭前野の驚くべき働き

繰り返しになりますが、前頭前野の働きは主に、考えること、順序立てて物事を進めること、決断すること、記憶することなど、覚えたことや学んだことから新しいものをつくることなど、受験や学習、勉強に不可欠な働きです。 頭の良さは前頭前野で決まるといわれるのはそのためです。何がなんでも前頭前野の働きを良くすることは、受験に勝つために不可欠です。


脳にとっての報酬とは

前頭前野は報酬(ごほうび)がもらえることや、気持ちいいことはやめられなくなります。人がたくさんの給料がもらえればうれしいように、脳の前頭前野も勉強中に十分なごほうびがもらえれば勉強が好きになります。 そして、脳にとってのごほうびとは脳に酸素や栄養を十分に含んだ新鮮な血液がいくこと、脳内磁気(脳は非常に微弱な磁気で動いている)のもととなる地磁気をもらうこと、脳の表面を髄液(脳にミネラルや栄養素を運ぶ透明な体液)がスムーズに流れることです。 このような状態の時に勉強をすると、気持ちよくなり、勉強が面白くてやめられなくなります。ついには成績、偏差値が上がります。 私が経験した例では、急に百人一首が好きになったり、進学に興味がなかった子どもが、突然中学受験をしたいというようになった例などがあります。


子どもが自分から勉強するわけ

勉強の時に、前頭前野により多くの血液が流れる状態が繰り返されると、脳は勉強すること=気持ちの良いことと判断します。 このような条件付けができると、子どもの脳は勉強が面白くて止められなくなります。そして子供は自分から進んで勉強し始めるのです。


前頭前野に行く脳血量が増えると

前頭前野の血流量が増えると次のような良い変化が起きます。 ① よく使う前頭前野の特定部位の働きがさらによくなる。これは得意科目の成績がますます上がることを意味します。 ② 普段の勉強では、ほとんど使われなかった前頭前野の部位にまで血流が行き渡るため、その部分がよく働き始め、最終的に前頭前野の全域が働くようになります。その結果、苦手科目の成績まで上がり始めます。 ③ 脳の前頭前野に血流がいきやすくなるため、疲れにくくなり、疲労からも回復しやすくなります。そのため勉強時間が知らず知らずに増えます。 ④ ひらめき、インスピレーションが働くようになり、的を得た学習ができるようになります。学習のセンスが磨かれます。自分の才能や適性が分かるようになり勉強する習慣ができます。 ⑤ ストレスに強くなり、試験で上がらないようになり、実力をそのまま出せるようになります。 脳トレで有名な川島隆太教授は、 「才能の器が脳の前頭前野の能力であれば、その能力を科学的根拠のある方法で伸ばすことは可能です。例えば、私に、生まれたての赤ん坊を預けてもらえれば、多くの人が『ああ、この人は天才である』と思えるような才能(大きな器)を持つ人間に、育てあげることができると思っています。」 と著書の中に書かれていますが、まさにその通りだと思います。



脳の立ち上がりを加速する

普段から脳の前頭前野がすばやく働くようにすることの重要性について述べます。 というのは、受験の時には前頭前野の脳血流が立ち上がるスピードの速さが合否のカギになるからです。 テスト開始の合図が鳴ると同時に前頭前野の血流が即座に増える場合と、テストの中盤からやっと前頭前野の血流が増えはじめる場合とでは、テストの成績に差が出てしまいます。前者の場合は、どんどん問題がとけて余白がない答案を書けるのに対して、後者の場合には、やっとテストの中盤から調子が出てきたと思った時に時間切れになり、答案が完成しなかったなんてことが起こりやすくなります。 受験は限られた時間の中での勝負なので、用意ドンでテストの時間がはじまったら前頭前野の血流をできるだけターボエンジンのように素早く最高の状態にまで増やすことが必要です。



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